高温過熱水蒸気の活用

高温の水蒸気を発生させる技術を用いて、産業廃棄物をエネルギー源として再利用することや、注射器などの感染性医療廃棄物の安全な処理ができます。

高温過熱水蒸気の用途は多方面に渡ります。800℃前後の過熱水蒸気を工場廃棄物や汚泥に当てれば短時間で炭化して減容できます。さらに1000℃の過熱水蒸気中に廃プラや草木系バイオマス、食品工場から出るバターやチョコレート残渣を投入すると、水素を50%以上含む可燃性ガスとなります。これを燃料にした火力発電では、化石燃料の使用を削減することができて地球に優しい技術となります。また注射器などの感染性医療廃棄物や血液透析に使うフィルター(ダイアライザー)も安全に処理できる方法です。工場や船舶、自動車の排ガスに含まれるNOx、SOxや微粒子状黒鉛(PM)、半導体工場やエアコンで使用されるフロンなどの難分解性ガスの処理などに適用できるよう研究開発をすすめています。1000℃以上の高温過熱水蒸気は今まで発生させること自体が難しかったこともあり、まだまだ未知の分野です。新しい発見に向けて研究を進めています。